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私が所属している畿央大学でも、前期の授業、すべてオンラインで行うことになりました。

早くも、私のオンライン授業も来週で第6回目になります。畿央大学は、もう6年ぐらい前から、1年入学と同時に、新品のモバイルPCの貸与(free)を行い、4年間学生はそのPCを使うことができます。加えて、open  CEASシステムが駆動しており、授業や課題のオンライン化は比較的スムーズに移行し、それほど苦痛なく実行できています。もちろん臨床実習ではバタバタしていますし、実技系の科目はどうする?という懸案事項はありますが、ジタバタしても始まりませんので、やるべきことを教員としてやっているだけです。大変、大変、とは全く思っていません、笑。いろいろメタ意識を働かせることができ、楽しんでいます。

一方で、大学院を開設して10年以上になりますが、その時からオンライン授業を行い、関東から九州まで、私の研究室を修了し、修士や博士の学位を取得した者も多数います。これに関しても順調です。

大学院生にしても、大学生にしても、大人なんで、このシステムにきちんと適応し、自分を律し、能動的な学びを実践しているはずです。私はYouTubeに授業動画をアップしていますので、彼らはいつでも復習でき、止めて確認したり、倍速で聞いたり、いろいろできるわけです。おそらく主体的な学びが促進されていると思います。

ただ、私はパトリアシア・クール教授の研究成果を好んでいるのも事実です。そう、ビデオ学習よりもやはり対面学習が言語の学習・発達にとって優れていたという結果。量ではない視点。

Kuhl PK. Early Language Learning and Literacy: Neuroscience Implications for Education. Mind Brain Educ. 2011 Sep;5(3):128-142.

Khul PK. Early language acquisition: cracking the speech code. Nat Rev Neurosci 5: 831-843, 2004.

 

子供達が何かに働きかければ、必ず大人が随伴的にそれへ働きかけ、社会的にフィードバックする。子供達のまなざし、意図を大人がキャッチし、共同注意する。つまり、大人としての社会的役割が発揮されるのは、リアルタイムの中での共同注意なわけです。今、彼ら、彼女らのまなざし(身体)をキャッチできません。言葉による質問での応対はできるものの、なかなか全身を観察した彼らの意識を読み取ることができません。そして、それがないと私も成長できないはずです。なぜなら、彼らのリアルな(冷めた目も含めた)視線やしぐさ・姿勢を体感できないからです。

けれども、最大限の努力をして、むしろこの事態を楽しみつつ、授業をもっとわかりやすく!という意識に火がついているも事実です。

森岡 周

 

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