心理学の父と称されるジェームズは、人間の自我(アイデンティティ)は複数の自己の総和から生まれると述べています。この複数の自己とは、自分自身が一人称的にみている世界からつくりあげられる自己、そして、他者、社会から自分がどのようにみられているかといった外の世界から相対的につくりあげられる自己です。例えば、他人との関係によって、自分が優れているもの、劣っているものなどを認知することは、私をつくりあげる上で大事な情報になります。つまり、自己の形成には、社会・環境要因も大きく寄与するというわけです。いろいろヒントになる記述であると、ジェームズを思う一人としては、勝手に思っています。
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