2週ほど前に新著を書き上げた。新型コロナウイルスの関係で週末の講演がほとんどなくなり、その時間が空いたことから、3カ月で一気に仕上がった。のべ33万字となり、原稿用紙換算では832枚になる。引用は1100論文になった。そもそもは青本(リハビリテーションのための認知神経科学入門)の改訂で書き始めたものだが、結局すべて書き下ろしてしまい、初版は跡形もなく、結局初版は絶版とし、新たなものとし秋頃に発行を考えている。
本書は視覚情報処理に関しての記述も含んだことから、前・上司の金子章道先生(慶應義塾大学名誉教授、畿央大学名誉・栄誉教授)の網膜研究の成果や、Hubelらの研究成果などをきちんと記そうと思い、調べていたが、ふと視覚心理学を専門としていた恩師・八木文雄先生(元・高知大学医学部教授、元・放送大学客員教授)はどのように記述していたかを久しぶりに確認しようと思い、神経心理学(放送大学出版)に目を通した。もう何年ぶりか。
一通り目を通すと、あとがきで、私の名前を発見。もちろん、14年前には確認していたが、この14年で、この記述のことに関して忘れていたこと、に、ど反省。
月日は、寂しさ、悲しさ、虚しさを消してくれますが、このような尊敬をも消してしまうことに、気づかされるとともに、このような振り返りの重要性を改めて気づかしてくれました。そういう意味で、本は財産。いつまでも手元に置いておくことの重要性を感じました。
八木文雄先生、ありがとうございます。もうしばらくは見守っておいてください。
森岡 周
TAG